爪の水虫です。
「水虫」足手、体、股、顔、頭など全身に生じます。
爪
爪の成分ケラチンは水虫の格好の住処
人口の約10人に1人と推定高齢になるほど爪白癬の罹患率が高くなる
というとというイメージですが、足に限らず、単純に足の頻度が高いだけです。体に水虫ができれば、「ゼニタムシ」股に水虫ができれば、「インキンタムシ」頭に水虫ができれば、「シラクモ」などと昔から言われてきました。その中で、にも水虫ができます。というより、であるです。そのため、日本ではされています。また、傾向があります。
爪白癬の臨床像
実際の爪白癬の症状です。爪が白く濁り、徐々に厚くなります。長期間経過すると爪の変形が強くなります。爪が変形して反り返っています。高齢の患者さんではこのくらいの変形の方は決して稀ではありません。爪には知覚がないので、他の水虫と違い爪白癬にはかゆみがありません。そのため、長期間放置されることが多く、このような爪に至ることが多いです。
爪白癬の診断

線状のカビ
「カビ」による病気
10分
水虫を完全に否定することはできません
われわれは皮膚科医になったその日から水虫の顕微鏡検査をたたき込まれます。そのため、爪を削って顕微鏡で見ればほぼ診断ができます。 顕微鏡で爪の細胞とともに「木の根っこ」のようなを認めれば、爪白癬と診断できます。よく、「水虫」なので「虫」がいるのではないかと言われますが、正確にはです。「虫」は関係ありません。治療に要する時間はくらいです。ただし、爪白癬に罹患して長期間経過していると爪の表面や先端にはカビを見つけにくくなります。そのため、爪を根元あたりまで切って調べる必要があります。また、顕微鏡でカビを見つけられなくても、。そのため、さらなる検査を希望されるときには、培養検査に提出することになります。
爪白癬の治療
| 治療法 |
有効率 |
|
| 飲み薬 |
70~80% |
10人治療すれば7~8人がきれいな爪になる |
| 塗り薬 |
30~40% |
10人治療すれば3~4人がきれいな爪になる |
内服の方が効果は圧倒的に高い
爪白癬の治療には、の2つの方法があります。そして、治療の効果ですが、ですので、です。それでも、以前は塗り薬では爪白癬を治すことはできませんでした。ここ10年で治療可能な塗り薬ができたことが朗報なのです。
爪白癬の飲み薬
| 薬剤名 |
治療期間 |
ジェネリック |
他の薬剤との影響 |
肝機能検査 |
| ラミシール |
6ヶ月 |
あり(安価) |
少ない |
必須 |
| イトリゾール |
3ヶ月 |
あり(安価) |
極めて多い |
希望による |
| ネイリン |
3ヶ月 |
なし(高価) |
少ない |
希望による |
3つの薬剤があります。おのおの特徴と医療費などを記載します。見ただけではわかりにくいと思います。ポイントを下にまとめます。イトリゾールは他の薬剤との相互作用が多いため、基本的に他の薬剤を内服中の方には勧められません。
内服後3ヶ月経過 内服後5ヶ月経過徐々に爪の根元からきれいな爪が認められるようになります。爪が伸びるに従い、6-10ヶ月程度できれいな爪になります。別の症例です。ラミシール錠で治療しました。ラミシール内服後8ヶ月の爪の症状です。全ての爪がきれいになっています。
爪白癬の塗り薬
クレナフィン
ルコナック
| 薬剤名 |
薬剤費
(3割負担) |
特徴 |
| クレナフィン爪外用液 |
1,770 円 |
爪の貫通性が高い |
| ルコナック爪外用液 |
1,050 円 |
薬剤の濃度が濃い |
内服の方が有効ですが、「薬を飲んでまで治療をしたくない」「たくさん薬を飲んでいるので、これ以上飲みたくない」「肝臓への影響が気になる」という方も多くおられます。その場合は、塗り薬が2つあります。 左が 右が です。どちらがよく効くか?と聞かれますが、それは人それぞれですのでわかりません。
クレナフィン爪外用液を9ヶ月外用しました。 ルコナック爪外用液を11ヶ月外用しました。小指のみ改善していません。おそらく小指は爪白癬ではなく、靴の圧迫による変形と思います。
どうしても改善しないときには
爪白癬の治療の有効率は、たとえ内服しても100%ではありません。特に変形が強い高齢者では長期間内服しても改善しないことが多く認められます。その場合、最終手段は「抜爪」することです。ただし、それで必ずきれいな爪が生えるとは限りません。それでも抜爪後に塗り薬を外用すればかなりの方がきれいな爪になります。内服で加療しても改善しませんでした。局所麻酔下に抜爪しました。抜爪後には、クレナフィン爪外用液を半年間外用してもらいました。その後の写真がありませんが、概ね正常な爪になりました。