令和2年11月に承認された多汗症の治療薬です。
わきの多汗症のみの適応ですが、
本邦では初めて保険で認可された多汗症の外用剤です。
これまでは塩化アルミニウム溶液を用いて治療をしてきました。
ガイドラインでも、わきの多汗症の治療の第一選択は塩化アルミニウム溶液でした。
(下の図をご参照ください)
この度、エクロックゲルが承認、発売されたことにより、このガイドラインは近いうちに変更になると思います。
エクロックゲルの販売元である科研製薬より、わき汗のサポートナビが設立されました。
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エクロックゲルについて
多汗症の原因は、エクリン汗腺という汗の腺の機能亢進です。この汗腺は交感神経節後ニューロンという神経線維から放出されるアセチルコリンの刺激で汗を分泌します。
つまり、多汗症の治療のためには、このアセチルコリンの刺激を止めればよいことになります。
神経終末からのアセチルコリンの放出を抑制アセチルコリンが汗腺にくっつくところをブロックする
作用機序はほとんど同じ
エクロックゲルの作用機序は、ボトックスの効果と似ています。ボトックスがすることで、アセチルコリンの刺激を止めているのに比べ、エクロックゲルはことでアセチルコリンの刺激が伝わらないようにしています。シェーマで示すと下のような感じですね。でも、どちらの薬もアセチルコリンの刺激を抑制することで発汗を押さえていますので、です。ですので、エクロックゲルとボトックスを併用する必要性は低いのではないかと、個人的には思います。(今後、色々報告が出てくると、有効だということになるかもしれません)
塩化アルミニウム溶液との比較
塩化アルミニウム溶液は作用機序が全く異なります。
塩化アルミニウム溶液とエクロックゲルを併用する意義は大いにある
では、塩化アルミニウム溶液との作用機序の比較はどうでしょうか。塩化アルミニウム溶液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。つまり、汗腺で作られた汗が汗管を通って皮ふに出るまでの通り道を塞いでいることになります。 したがって、と思います。エクロックゲルのみで効果が足りないとき、あるいは塩化アルミニウム溶液で効果が足りないときには、両方の薬剤を併用すれば効果は増強されると考えられます。塩化アルミニウム溶液は夜しか外用できないので、朝にエクロックゲル、夜に塩化アルミニウム溶液という組み合わせはよいかと思います。もちろん、単独で効果があればそれでも大丈夫です。
エクロックゲルの使い方


1日1回毎日外用
エクロックゲル1本が20g1本で14日間の外用量
外用後4時間
継続が必要
製薬会社から提供された形状見本で説明します。 製剤は3分割できます。本体と内ぶた、外ぶたに分かれます。 内ぶたの上に1プッシュします。その量を片方のわきに外用します。同様に、1プッシュして対側のわきに外用します。ゲル製剤なのですぐに乾きます。乾いたのを確認して衣服を着用します。内ぶたはティッシュで拭き取るか、水で洗い流してもとに戻します。※ 2023年秋から製剤がリニューアルしました。 ツイストタイプです。1本が40gですので、1ヶ月分です。使用方法です。します。朝でも夜でもよいそうです。です。だいたいに相当するそうです。もっとも効果が発現できるのはとのことです。それ以降は徐々に減衰します。そして、効果を持続させるためにはです。
エクロックゲルの治療費
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薬価 |
3割負担の方 |
| エクロックゲル 1本 (20g) |
4874 円 |
1462 円 |
| 令和3年11月頃までは処方制限があります。1回1本の処方になります。 |
エクロックゲルか? 塩化アルミニウム溶液か?
塩化アルミニウム溶液を続けるべきなのか?
エクロックゲルに変更するべきなのか?
当院ではわき汗に対し、塩化アルミニウム溶液で加療されている方がたくさんおられます。おそらく、多くの方が持つ疑問は、ということだと思います。エクロックゲルは新薬なので、まだその効果を把握できていません。ですので、現時点でその答えはありません。単純に治療費のみで考えると、エクロックゲルは所定の外用量を使用すると、1本で14日分とされています。ですので、1ヶ月の治療費は2924円になります。塩化アルミニウム溶液は保健が効きません。当院では100mlを1650円でお渡ししています。通常、わき汗のみに外用する場合、100mlで半年程度は足りることが多いと思います。(外用する量によりますので、個人差がありますが)すなわち、治療費のみでは塩化アルミニウム溶液の方がお得と言えるかもしれません。もちろん、塩化アルミニウム溶液でかぶれる方もおられますので、どちらがよいかは総合的に判断する必要があると思います。