一般には、身体から多量の汗が出ることを指しますが、医学的には、全身にたくさんの汗をかく「汗かき体質」とは異なった状態を指します。
人間が体温調節のために必要とする量を大きく上回る発汗が認められること多汗症と呼んでいます。よく誤解されますが、あくまで「身体異常の疾患」であり、「精神異常」が原因ではありません。
発汗には、
- 温熱性発汗
- 精神性発汗
- 味覚性発汗
があります。
温熱性発汗は、
体温の上昇が発汗を誘導し、発汗は全身に生じます。
精神性発汗は、
精神的緊張により誘導され、手掌、足底、腋窩(わき)に生じます。
味覚性発汗は、
辛い物を食べたときに顔面に生じます。
医学的に治療を要する
病的な発汗とは、主に�A精神的発汗 を指します。�@温熱性発汗や�B味覚性発汗は程度の差はありますが、生理的なものがほとんどです。
つまり、
手掌、足底、腋窩(わき)の発汗が日常生活や職業上障害を生じている状態を多汗症として、治療の適応と考えます。
これは単純な話です。全身性多汗症とはその名の通り全身に汗を多量にかく状態です。広義では「汗かき体質」を含むこともありますし、中枢神経疾患や内分泌疾患(たとえば、甲状腺の疾患など)でも生じます。あまりにも全身から多量の汗が出るときには、皮膚科とは別に一度神経内科や内分泌内科を受診されてもよいかもしれません。皮膚科で治療の適応となる多汗症のほとんどが「局所性多汗症」です。
局所性多汗症とは
手掌・足底・腋窩(わき)
精神的発汗手掌と足底は温熱の影響を受けない腋窩(わき)は精神的発汗と温熱性発汗の両方

通常は、を指します。これらは、の部位であり、精神的緊張を伴って発汗量が多くなります。一般的に、といわれています。が生じるといわれています。手掌の多汗症は青年期が多いため、成長とともに自然に軽快することが多いとされますが、それでもテスト用紙が汗で破れたり、インクがにじんだりと、社会生活上大きな障害になることしばしばです。
腋窩(わき)の多汗症は衣服へのシミが目立ち、服の色に気をつかうなど、女性の訴えの多い部位です。
日本皮膚科学会は2015年に原発性局所多汗症の診療ガイドラインの改訂版を発表しました。腋窩(わき)、手掌、足底と別々の治療のアルゴリズムが提唱されています。ちなみにBT-AとはA型ボツリヌス菌毒素(ボトックス)の局注療法です。-------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 詳細はをご参照ください。詳細はをご参照ください。-------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 詳細はをご参照ください。----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------令和2年まではとが現実的な治療でしたが、その後保険適応のある薬剤が発売されていますので、現在治療の選択肢は沢山あります。おのおのページを作製していますので、参照してください。他の治療としては、〇
という治療があります。水道水を用いて、5〜15 mA 直流電流,0〜20 mA 交流電流で 20〜30 分間の通電する治療です。発汗を抑制するメカニズムは今ひとつ不明確ですが、電流を通電することにより生じる水素イオンが汗孔部を障害し狭窄させることにより発汗を抑制するのであろうといわれています。クリニックで治療されている施設は少なく、基本的には総合病院で治療が行われますが、広島県で治療している病院はほとんどありません。ほとんど副作用はありませんが、繰り返し治療する必要がありますので頻回の通院が必要です。そのため、現実的にはする方が多いです。Amazonでも販売しているようです。自身で検索してみてください。(一例です。当方でこの機器を推薦しているわけではありません。購入は自己責任でお願いします。)〇という治療もあります。これは麻酔科で行われる治療です。皮膚科で治療されることはありません。手掌の多汗症の有効率はほぼ100%ですが、別の部位の発汗が増える対償性発汗の合併が問題になります。顔面の多汗症でも治療が可能であり、有効率は80%以上といわれます。ただし、顔面では代償性発汗が必発といわれており、治療には慎重を要します。現在広島県で治療されている麻酔科は、尾道総合病院のみと聞いています。(コロナ騒動の時に多くの麻酔科が治療を中止されました。この情報は令和5年の時点です。その後治療を再開されている麻酔科もあるかもしれません。自身でご確認ください。)
内服薬は局所療法に比べて副作用があるため、して行うべき治療です。また、塩化アルミニウム溶液やボツリヌス菌毒素の局注療法が行えない部位()では、内服薬の治療が選択されることがあります。�@ プロ・バンサイン�A カタプレス�B グランダキシン�C 漢方薬 1. 補中益気湯 2. 黄耆建中湯個別の薬剤については、で説明します。