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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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〒731-3168
広島市安佐南区伴南1-5-18-8-303

尋常性乾癬の生物製剤biotherapy for Psoriasis

尋常性乾癬の生物製剤の歴史(院長の経験も)

「生物製剤」




2010年にレミケード(インフリキシマブ)が適応を取りました。







施設認定を得る必要












施設認定の基準が緩和



IL-17阻害薬、IL-23阻害薬




尋常性乾癬の最終兵器と言われているのが、です。最近、抗癌剤やアルツハイマーの治療薬としてもよく耳にする治療薬ですね。「バイオ製剤」と呼ばれることもあります。尋常性乾癬の「生物製剤」の治療薬としては、その後、雨後の筍のように薬剤が発売され、2025年時点で11剤が乾癬の治療に使用されています。下に発売時期順の一覧表を示します。(クリックで拡大します。)これらの乾癬の「分子標的薬」の治療を行うにはがあります。現在では、皮膚科専門医が常勤する総合病院の多くで施設認定を受けています。院長が勤務医だった2013年当時は、まだ認定を受けた施設が広島県内に5施設程度でした。幸い、安佐市民病院は早期に施設認定を得ることができたため、乾癬に「分子標的薬」を投与する機会に恵まれました。その時点で使用可能な生物製剤は「レミケード」「ヒュミラ」「ステラーラ」の3剤でしたが、その絶大な効果に驚きました。それまで、これほど有効な治療薬はありませんでしたから。ちなみに2013年の時点で「分子標的薬」の投与の症例数が最も多い広島県内の病院が安佐市民病院でした。 生物製剤使用前と使用後の写真(マルホ製薬から提供)2013年4月に開業したため、その後は「生物製剤」を使用する機会を失いました。厳密には開業医でも使用できないわけではないですが、開業医が施設認定を受けるにはハードルが高くそこまでの必然性を感じませんでした。ただし、勤務医時代の「生物製剤」の治療経験がその後に発売されたアトピー性皮膚炎の「生物製剤」であるデュピクセント、ミチーガなどの投与のハードルを下げてくれたため、当院ではいち早くアトピー性皮膚炎に「生物製剤」「JAK阻害剤」を投与することができました。何事も経験は大事です。さらに、2024年11月にされ、一定の条件を満たせば当院のようクリニックでも乾癬の「分子標的薬」を投与できるようになりました。そのため、当院でも2024年11/14に申請し、11/28に受理されました。ただし、全ての「分子標的薬」が投与できるわけではありません。のみ投与することができます。 次に、このIL-17阻害薬・IL-23阻害薬などについて記載します。

尋常性乾癬の生物製剤(標的別に)

乾癬の「分子標的薬」は11剤



標的となる分子




 標的 商品名 
(一般名)
投与
方法
自己
注射
継続投与中の投与間隔
TNF阻害薬  レミケード
(インフリキシマブ)
 点滴  ×  8週間
 ヒュミラ
(アダリムマブ)
皮下注  ○  2週間
 シムジア
(セルトリズマブ
ペゴル)
皮下注  ○  2〜4週間
IL-12/23q40
阻害薬
 ステラーラ
(ウステキヌマブ)
皮下注  ×  12週間
IL-23q19阻害薬  トレムフィア
(グセルクマブ)
皮下注  ×  8週間
 スキリージ
(リサンキズマブ)
皮下注  ×  12週間
 イルミア
(チルドラキズマブ)
皮下注  ×  12週間
IL-17A阻害薬  コセンティクス
(セクキヌマブ)
皮下注  ○  4週間
 ルミセフ
(ブロダルマブ)
皮下注  ○  2週間
 トルツ
(イキセキズマブ)
皮下注  ○  2〜4週間
 ビンゼレックス
(ビメキズマブ)
皮下注  △  4〜8週間


IL-23q19阻害薬IL-17A阻害薬

IL-23q19阻害薬  トレムフィア
(グセルクマブ)
 スキリージ
(リサンキズマブ)
 イルミア
(チルドラキズマブ)
IL-17A阻害薬  コセンティクス
(セクキヌマブ)
 ルミセフ
(ブロダルマブ)
 トルツ
(イキセキズマブ)
 ビンゼレックス
(ビメキズマブ)




既述のように、現在あります。院長にはステラーラまでの3剤以降の投与経験がないため、残りに8剤については浦島太郎状態でした。そのため、このページを作製するため勉強しました。「分子標的薬」というネーミングが示すように、これらの薬剤にはが存在します。それが薬剤によって少しずつ異なります。大きく分けると、4種類に分けることができます。下の表にまとめました。この中で制度上当院で投与できるのは、とです。表で言えば、下の3段とさらに下の4段になります。

当院で投与可能な尋常性乾癬の生物製剤

IL-23q19阻害薬の3剤、IL-17A阻害薬の4剤を当院で投与できる

薬剤費自己注射の可否


 標的  商品名 自己
注射
薬剤費 
IL-23q19
阻害薬
 トレムフィア
 ×  339,733円/筒(200mg)
 スキリージ
 ×  474,616円/筒(150mg)
 イルミア
 ×  486,197円/筒(100mg)
IL-17A
阻害薬
 コセンティクス
 ○  138,249円/筒(300mg)
 ルミセフ
 ○ 74,513円/筒(210mg)
 トルツ
 ○ 148,952円/筒(80mg) 
 ビンゼレックス
 △  303,466円/筒(320mg)

いずれの薬剤もきわめて高額
IL-23q19阻害薬が突出して高い
「継続投与中の投与間隔」
IL-17A阻害薬2-4週IL-23q19阻害薬8-12週


投与間隔が長い薬剤は自己注射できません
院内で注射を受けてもらう必要




当院ではIL-23q19阻害薬の投与を当面行う予定はありません。
IL-17A阻害薬のみ



前述のように、施設認定の制度上は、ことになります。ただし、そう単純ではありません。ここに影響するのは、おのおののとです。自己注射の可否とおのおのの薬剤費を示します。この表をみてわかるように、です。さらに、ことがわかります。これは、を見てもらうと理由がある程度わかると思います。の投与間隔が なのに対し、 の投与間隔はです。 投与間隔が長い分、IL-23q19阻害薬の薬剤が高くても不思議ではありません。ただし、。そのため、必ずがあります。そうなると、クリニックでこの高額の薬剤を準備することになるのですが、ここが問題なのです。もし、治療をキャンセルされた場合、この高額の薬剤がデッドストックになる可能性があります。治療機会の多い薬剤ではないので、他の患者さんへ流用も困難です。多くの患者さんに「分子標的薬」を投与する総合病院や乾癬の専門病院でなければ薬剤の管理が難しいのです。そのため、当院で投与できるのは、となります。

コセンティクス(セクキヌマブ)について

IL-17A阻害薬
コセンティクス(セクキヌマブ)









現在、4剤使用できるの中で、当院がまず採用しているのはです。 理由は単純に治療費が一番安いからです。(ルミセフの方が安いですが、ルミセフは2筒投与ですので、倍の治療費がかかります) コセンティクス 皮下注300mg ペン です。

コセンティクスが投与できる方

  • 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬の患者さん
  • 6歳以上
  • 今までの治療法で十分な効果が得られない方
  • 皮膚の症状が全身の10%(手のひら10枚分の面積)以上ある方
  • 難治性の皮膚症状または関節症状がある方





爪の変形が強い方



つまりは、全身の広範囲に乾癬の皮疹が認められる方。皮疹は小範囲でも関節に痛みを伴う方。が、対象ということですね。それ以外に、でもコセンティクスが有効である症例が多く報告されています。

コセンティクスが投与できない方、注意が必要な方

  • 使用できない方
    • 重い感染症を患っている方
    • 活動期の結核を患っている方
    • コセンティクスに含まれる成分に対するアレルギーがある方
  • 注意が必要な方
    • 感染症を患っている方
    • 過去に結核にかかったことがある方
    • 炎症性腸疾患(クローン病など)を患っている方
    • 高齢の方
    • 妊娠中、授乳中の方



コセンティクスの投与スケジュール












コセンティクスは、通常、1回につき150mgペンは2本あるいは300mgペンは1本注射します。初回は必ず医療機関で、医師の直接の監督のもとで、投与を行います。初回投与後、1週、2週、3週、4週に投与し、それ以降は、4週間に1回の間隔で投与を続けます。 自己注射が可能な方は、5回目の注射以降は3ヶ月に1回の受診で治療を継続できます。

コセンティクスの投与には検査が必要です。



結核、B型肝炎、C型肝炎、真菌症、腎機能障害







血液検査を提出

胸部レントゲンを依頼する紹介状




アトピー性皮膚炎、円形脱毛症のJAK阻害剤と同様に投与前と投与中に検査が必要です。がないことを確認する必要があります。 皮ふ科開業医でJAK阻害剤や乾癬の「分子標的薬」の投与が難しい点は、この投与前検査にあります。皮ふ科開業医でレントゲンが撮影できる設備を持つことは一般的ではありません。例に漏れず、当院にも設備がありません。 そのため、これらの検査を内科あるいは外科などで受けて頂く必要があります。 また、この検査は2回/年で継続して頂く必要があります。 投与を希望されたときには、当院でします。この検査費は約6000円くらいかかります。(3割負担)また、希望の内科あるいは外科宛にを記載してお渡しします。次の再診までにレントゲンを撮っていただく必要があります。

コセンティクス投与のシミュレーション













1月の下旬に投与前検査
デモキットを用いて自己注射を指導

院内で自己注射

3本分の処方箋を発行
1本自己注射

1本ずつ自己注射

当院を再診3本分の処方箋
自己注射

当院を再診





治療を月のいつ頃から開始するかでかなり金額に差が出てきます。治療費の面から単純に割りきれば、月初めに初回の投与を開始する方が医療費をおさえることができると思います。(年収にもよりますが、、、)最初に1週間ごとに4本注射しますので、この4本を同じ月内に注射する方が高額療養費制度を利用しやすいということですね。ということで、仮に2月1日から投与を開始したとしてシミュレーションしてみましょう。(なぜ2月かというと、2月は28日なので計算しやすいからです。)(^o^)シミュレーションの表を下に示します。表にはありませんが、まず、が必要です。その検査の受診時に、します。(これが1回目の指導) ↓2/1は当方で薬剤を用意しますので、医師の指導下にをしてもらいます。(2回目の指導) ↓2/8は当方では薬剤を用意しません。自己注射の説明をした後、コセンティクスをします。患者さんはその処方箋を調剤薬局に提出し、薬剤を受け取ります。2/8にはそのコセンティクスをします。残りは冷蔵庫で保存します。 ↓2/15、2/22も同様にします。 ↓3/1にはしてもらいます。特別問題がなければ、コセンティクスを渡しますので、同様に調剤薬局で薬剤を受け取ります。3/1、3/29、4/26は自宅でを行います。 ↓5/24にはします。以降、このサイクルを繰り返します。

コセンティクスの治療費


3割負担

  薬剤費 負担金(3割) 
 コセンティクス
 1本  138,249円/筒(300mg) 41,474.7円 
41,470円




70歳
未満     
 適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 
 年収 約1,160万円以上  252,600円+
(医療費-842,000円)×1%
 年収 約770万円〜約1,160万円   167,400円+
(医療費-558,000円)×1%
 年収 約370万円〜約770万円    80,100円+
(医療費-267000円)×1%
 年収 約370万円未満  57,600円
 住民税非課税  35,400円


70歳
以上   
 
 適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 
現役並み  年収 約1,160万円以上  252,600円+
(医療費-842,000円)×1%
  年収 約770万円〜約1,160万円   167,400円+
(医療費-558,000円)×1%
 年収 約370万円〜約770万円    80,100円+
(医療費-267000円)×1%
一般  年収 156万円〜約370万円未満  18,000円
年14万4000円
 57,600円
住民税非課税   �U 住民税非課税世帯  8,000円  24,600円
 �T 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
15,000円



「多数回該当」
12ヵ月間3回以上4回目から「多数回該当」












370万円〜770万円の年収
コセンティクスの薬剤費のみで計算


2月の医療費

552,996円


約82,960円


3月の医療費

414,747円


約81,580円


3月と同じ医療費

8月多数回該当が適応
44,400円





さて、それでは実際の治療費です。まず、負担金は全てで計算します。1割負担、2割負担の方は適宜換算してください。普通に3割負担のみであれば、1本注射する度にの医療費がかかることになります。既述のシミュレーションであれば、2月に4本注射しますので、2月には41,470円×4=165,880円の負担が必要です。とても高額ですよね。ただし、高額療養費制度がありますので、多くの方がこの適応を受けることができます。70歳以上の方にコセンティクスを投与することはあまりなさそうですが、一応70歳以上についても表を示します。そして、高額療養費制度にはというありがたい制度があります。直近のに、すでにの高額療養費の支給を受けている場合は、となり、自己負担の上限額がさらに引き下げられます。 では、実際に下のスケジュールで投与したときの医療費をシミュレーションしてみましょう。最も多いとされる で計算します。ややこしいので、します。実際には検査費や初診、再診料も加わりますので了承してください。実際のコセンティクスの薬剤費4本注射しますので、コセンティクス1本:138,249円×4本=(負担はその3割:165,880円)高額医療制度を適応すると、80,100円+(552,996円-267,000円)×1% =実際のコセンティクスの薬剤費3本処方しますので、コセンティクス1本:138,249円×3本=(負担はその3割:124,424円)高額医療制度を適応すると、80,100円+(414,747円-267,000円)×1% =4月は処方がありません。5月は5/24にコセンティクスを3本処方しますので、がかかります。の処方時にはされますので、8月の医療費はになると思います。あくまでシミュレーションです。世帯収入や夫婦で加入されている保険の種類、扶養の有無などで、多少計算は変わってくるようです。詳細は加入されいている保険にお尋ねください。

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