
老人性色素班のシェーマです。
生成AIで作製してみました。
もっとも一般的なシミです。
男性、女性とも生じます。
特徴は
・円形、境界明瞭、色は一様
・左右の対称性なし
・大きさは色々
・イボが合併することが多い
などでしょうか。
鑑別が必要なシミは
炎症後色素沈着です。
老人性色素斑の治療について
レーザー治療と
外用治療が可能です。
○ レーザー治療:当院では
Qスイッチルビーレーザーを照射します。
(シミの状態によって、ジェントルレーザーを照射することもあります。)
○ 外用治療 :当院では
トレチノインクリームを外用します。
おのおの説明します。
老人性色素斑のレーザー治療について
次のような経過になります。
典型的なレーザー後の経過
照射後日数 |
経過など |
0日 |
レーザー照射 |
1〜2日目 |
カサブタになる。 |
10〜14日目 |
カサブタが剥がれる。(ピンクになる) |
21日頃 |
炎症後色素沈着が始まる。(ダウンタイムの始まり) |
1ヶ月目 |
炎症後色素沈着がピークになる。 |
2ヶ月目 |
徐々に炎症後色素沈着が薄くなっていく。 |
3ヶ月目 |
炎症後色素沈着が概ね消える。(ダウンタイムの終わり) |
肝斑や日焼けがある場合は経過が異なります。
別のページで説明していますので、
「しみの治療の前に必読!」のページを参照してください。
レーザー治療の実際の経過について
院長のシミにレーザーを照射する機会がありました。
そのため、その写真を経時的に供覧します。

左頬部に○で囲まれた老人性色素斑が2ヶ所認められます。
ここにレーザーを照射しました。
照射前です。
オレンジで囲まれた範囲に
照射します。
照射直後です。
白色に変色します。
照射後はステロイド外用剤のみ
で自然にかさぶたが剥がれるまで
待つこともできます。
被覆材で覆うこともできます。
当院では後者を勧めています。
照射後3日目です。
前方はステロイド外用剤
後方は被覆材
で、対応しています。
いずれもカサブタになり黒色に
変化しています。
照射後8日目です。
前方のカサブタが剥がれました。
ピンクになっています。
(○で囲ったところです)
後方はまだ被覆材が貼り付いて
います。
照射後10日目です。
前回ピンクだったところに
炎症後色素沈着が始まっている
ことがわかります。
(○で囲ったところです)
照射後14日目です。
前方の色素沈着が強くなって
いることがわかります。
後方の被覆材が剥がれました。
照射後22日目です。
色素沈着は両方とも強くなって
います。
特に前方はかなり目立つように
なりました。
照射後1ヶ月です。
炎症後色素沈着は続きますが、
少し軽減してきたようです。
ちなみに前方はアフターケアを
していません。
後方にはハイドロキノン+遮光
を行っています。
照射後2ヶ月です。
炎症後色素沈着は徐々に薄く
なっています。
特に前方はかなり薄くなりま
した。
照射後3ヶ月です。
前方の炎症後色素沈着は概ね
消退しました。
後方はまだ炎症後色素沈着が
少し残ります。

このように老人性色素斑の下に
肝斑や過度の日焼けがなければ、
炎症後色素沈着は約3ヶ月で消
えることが一般的です。
もちろん個人差もありますので、
この通りの経過にならないことも
あります。
老人性色素斑の外用治療
トレチノインクリームと
ハイドロキノンクリームを併用して治療します。
おのおのの詳細については別にページがあるので、参照してください。
トレチノインクリームのページ
ハイドロキノンクリームのページ

この両方を外用して治療します。
トレチノインクリーム+ハイドロキノンクリームの効果
|
効果 |
外用期間 |
副作用 |
トレチノイン |
表皮のターンオーバーを短縮して、沈着したのメラニンを垢にして追い出す |
約3ヶ月 |
あり |
ハイドロキノン |
色素細胞からメラニンが作られることを抑制する |
半永久的 |
なし |